本文へスキップ

認定特定非営利活動法人がんサポートコミュニティーは、がん患者さんとそのご家族のために専門家による心理社会的なサポートを提供するNPOです。

TEL. 03-6809-1825

105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目10-4
虎ノ門ガーデン
214号室

白血病LEUKEMIA

がんを経験して今思うこと M・H(40歳代女性、白血病)

「がんを経験して今思うこと」H・I(40歳代女性、白血病)

「あなた、重大な病気ですよ。急性骨髄性白血病。」
突然の告知に、ショックよりもむしろ「先生、ご冗談でしょう?」という気持ちでした。2008年12月下旬のことでした。
当時、専門の先生がいらっしゃるということで千葉県の房総にある総合病院をご紹介いただき、翌日には入院、抗がん剤治療が始まりました。髪はパラパラと抜け始め、何日も高熱が続き、激しい胃痛に悩まされ、自分の体がどうなっていくのか、悪夢を見ているようでした。1クール1か月半程の抗がん剤治療、2回目が終わる頃には髪がすっかり抜け落ちました。でも、精神的には入院生活を受け入れる覚悟ができ、「とにかく治して家に帰らなくては」という気持ちで一杯でした。
抗がん剤の副作用の辛さもさることながら、もっと辛かったことは無菌室での生活でした。抗がん剤で叩いた悪い血液が、新たに一定数の値の血液が作られるまで体が感染に耐えられない状態のため、ひたすら無菌室で過ごさなくてはならなかったのです。いつ部屋から出られるのかわからないまま、本を読んだり、塗り絵をしたり、時には病室から見える海の遠く水平線を、船が行き過ぎるのをただ何時間も眺めて長い一日を過ごしました。「ああ、どうしてこんなことになったのか…」自分の今までの人生を振り返り、それまで私なりに真面目に生きてきたつもりなのに、その結果がこれか、と自分の人生を呪うこともありました。でも、長い無菌室での生活は、それまであまりにも心身ともに酷使して自分を追いつめてきたかということに気づき、自分を見つめ直す良い機会でもありました。
私の場合、「骨髄移植を受けた方がいいのでは?」という先生からのお話に、私も治療を受け入れ、入院当初から骨髄バンクでドナーさんを探していただきました。たった一人だけ白血球の型が合う方が見つかり、3クールの抗がん剤治療後、2009年6月に骨髄移植を受けました。3回の抗がん剤治療を乗り越えていたので、ある程度の覚悟はできていたのですが、移植の苦しみは想像をはるかに超えるものでした。
8ヶ月に渡る長い入院生活を終えて家に戻った時、夏の日差しや木々の緑、風の爽やかさがこんなにも幸せなものかと思ったことを今でも覚えています。
その後、移植による様々な後遺症や、人からの心無い一言、偏見などにずいぶん傷ついたこともありましたが、今は一つ一つが自分の“経験”として捉えることができるようになりました。
発症当時、小学4年生と中学2年生だった子どもたちもすっかり成長し、お陰様で笑いの絶えない生活を送らせていただいております。

関わって下さった先生方、看護師さん、スタッフの方々はじめ、ドナーさんや家族、そして不安や愚痴を優しく聞いて下さる“がんサポ”の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

楽しいときに時間はあっという間に過ぎ去るが、たった一秒がなかなか進まないように感じるときもある。フランスのブレーズ・パスカル・クレルモン第二大学の研究によると、脳にはある種のストップウォッチがあり、どのように時間を知覚するかに基づいて時間を測っているからだそうです。恐怖は時間の知覚を大きく歪める感情で、実際の時間よりもずっと長いものとして知覚されるそうです。M・Hさんにとって“今”の時間があっという間に過ぎていると感じられていることを願っています。

バナースペース

認定特定非営利活動法人
がんサポートコミュニティー

105-0001
東京都港区虎ノ門3丁目10-4
虎ノ門ガーデン
214号室

TEL 03-6809-1825
FAX 03-6809-1826